きのせみかの大和撫子な生活

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ISISと米イスラエルの関係

 現在の日本は戦後以来最も大きな分岐点にあるように見えますが、日本の行末を考える上で認識しておくべき世界状況について田中宇氏が分かりやすく解説されていますので、以下に転載したいと思います。


ISISと米イスラエルのつながり(田中宇の国際ニュース解説)より
http://tanakanews.com/150222isis.htm

 シリア南部とイスラエル北部の間にあるゴラン高原は、もともとシリアの領土だったが、1967年の中東戦争でイスラエルに侵攻され、それ以来、イスラエルは同高原の東側の9割の土地を占領している。ゴラン高原のイスラエルとシリアの停戦ラインには、停戦維持のため、1974年から国連の監視軍(UNDOF)が駐留している。

 2011年から、シリアでイスラム過激派を中心とする反政府勢力が武装蜂起して内戦になった後、反政府勢力の一派であるアルカイダの「アルヌスラ戦線」が、ゴラン高原のシリア側でシリア政府軍を打ち破り、支配を拡大した。14年前半には、シリア北部でISIS(イスラム国)が支配を拡大したのに合わせ、南部のゴラン高原周辺はアルヌスラの支配地になり、14年夏には、イスラエルとの停戦ラインに沿った地域の大半から政府軍を追い出して占領した。アルヌスラは、国連監視軍の兵士を誘拐する攻撃を行い、国連は14年9月、監視軍を停戦ラインのイスラエル側に退却させた。

 「アルヌスラ」はアラビア語で「地中海岸地域(シリア、レバノン、パレスチナ、イスラエルにあたる地域)の闘争支援戦線」の意味で、アルカイダのシリア支部だ。兵力の多くは、もともとイラクのスンニ派地域で米軍と戦い、米軍撤退後、シリア内戦に転戦し、12年にアサド政権を倒す目的でアルヌスラを作った。米政府は同年末にアルヌスラを「テロリスト組織」に指定している。
 ISISの前進である「イラクのイスラム国」は、もともとアルカイダの傘下にあり、アルヌスラの同盟組織だったが、13年4月に「イラクのイスラム国」がアルカイダからの独立を宣言した後、両者はライバル関係になったとされ、両者が戦闘したという指摘もある。しかし両者は、思想がサラフィ主義のスンニ派イスラム主義で一致し、アサド政権やシーア派、米欧を敵視する点も一致している。

 ISISとアルヌスラは、シリア内戦で、イラン(シーア派)傘下のシリア政府軍、イラク民兵、ヒズボラ、米欧に支援されたクルド軍などと継続的な戦闘に直面しており、相互に仲間割れして戦う余裕がない。両者は、敵対するライバルのふりをしているが実は味方で、対立する別々の組織を演じる策略をとっている可能性がある。
 米国の駐シリア大使だったロバート・フォードは最近「アルヌスラはISISと見分けがつかない組織だ」「シリア反政府勢力の中には似たような組織が多すぎる」「反政府勢力の大半は過激派であり(米欧が支援していることになっている)穏健派はほとんどいない」と指摘している。

 そんなアルヌスラが昨夏以来、シリア政府軍を撃退してゴラン高原西部を占領し、国連監視軍を押しのけてイスラエルと対峙している。アルヌスラはイスラエルを敵の一つに名指ししている。イスラエルとアルヌスラの戦争が始まるのかと思いきや、その後の展開はまったく正反対のものになった。
 国連監視軍が14年末に発表した報告書によると、イスラエル軍は、ゴラン高原の停戦ライン越しに、アルヌスラの負傷した戦士を受け入れてイスラエル軍の野戦病院で手当したり、木箱に入った中身不明の支援物資を渡したりしている。国連監視軍が現地で見たことを報告書にしたのだから間違いない。

 イスラエルが停戦ライン越しにアルヌスラを支援するようになったのは13年5月からで、それ以後の1年半の間に千人以上の負傷者をイスラエル側の病院で治療してやっている。イスラエル側は、シリアの民間人に対する人道支援と位置づけているが、負傷者はアルヌスラの護衛つきで送られてくるので、民間人でなく兵士やアルヌスラの関係者ばかりと考えられる。
 イスラエルのネタニヤフ首相は14年2月にゴラン高原の野戦病院を視察しており、これは政府ぐるみの戦略的な事業だ。国連監視軍は14年6月にも、イスラエルがアルヌスラを支援していると指摘する報告書を出している。

 ゴラン高原のイスラエル側とシリア側をつなぐ道路は、クネイトラという町(廃墟)を通る1本だけだが、この道は14年8月末からアルヌスラの支配下にある。イスラエルは、この道を通って、夜間などにいくらでもアルヌスラに支援物資や武器を送れる。クネイトラ周辺にいた国連監視軍は、アルヌスラに脅されてイスラエル側に撤退した。監視軍が見て報告書に書いたのは、イスラエルとアルヌスラの関係性の中のごく一部だけと考えられる。
 未確認情報で作り話の可能性があるが、ISISが米軍の輸送機C130を持っていて、それがイスラエルのゴラン高原の道路を使った滑走路に離着陸し、イスラエルから物資を受け取っているとか、同じC130がリビアまで飛び、リビアのイスラム過激派の兵士や武器を積んでキルクークやコバニの近くまで運び、劣勢だったクルド軍との戦闘を挽回したなどという話もある。

 米軍は13年から、ヨルダンの米軍(ヨルダン軍)基地で、シリア反政府勢力に軍事訓練をほどこしている。アルカイダやISIS以外の「穏健派勢力」に訓練をほどこす名目になっていたが、かなり前から「穏健派」は、米欧からの支援を受けるための窓口としての亡命組織のみの看板倒れで、米軍が訓練した兵士たちは実のところアルヌスラやISISだった(米軍はそれに気づかないふりをしてきた)。シリアからヨルダンの米軍基地への行き帰りには、ゴラン高原のイスラエル領を通っていたと考えられる(他のシリア・ヨルダン国境はシリア政府軍が警備している)。
 ヨルダン空軍のエリートパイロットがISISに焼き殺され、世論が激昂する中で、自国内で米軍にISIS訓練を許してきたヨルダンの姿勢を変えようとする動きが起きている。

 イスラエルとシリアのゴラン高原の停戦ラインは、シリア内戦で米イスラエルがアルヌスラやISISを支援するための大事な場所になっている。昨年末以来、シリア政府軍と、それを支援するヒズボラやイランの軍事顧問団(要するに「シリア・イラン連合軍」)は、ゴラン高原の停戦ラインに近い地域をアルヌスラが奪還しようと、攻撃を仕掛けている。
 シリア・イラン連合軍を食い止めるため、イスラエル軍は1月末に無人戦闘機をシリア領空に飛ばし、ゴラン高原近くのシリア政府軍の拠点を空爆した。ヒズボラ兵士や、イランから来ていた軍事顧問も殺された。イスラエルがシリア領内を空爆するのは非常にまれだ。シリア・イラン連合軍が優勢になり、アルヌスラがイスラエルに空爆をお願いした結果と報じられている。シリア政府は「イスラエル空軍は、アルカイダの空軍になった」と非難した。

 イスラエルがアルヌスラやISISを支援する経路としてゴラン高原の停戦ラインを使っているので、シリア・イラン連合軍が停戦ラインをアルヌスラから奪還しようと試み、それを防ぐためにイスラエル軍がシリア・イラン連合軍を空爆したのに、ワシントンポストなど米国のマスコミは「ヒズボラがイスラエルを攻撃しそうなので先制的に空爆した」と、わざと間違ったことを書き、読者に実態を知らせないようにしている。
 元米軍大将のウェスリー・クラークは最近、米国のテレビに出演し「ISISは当初から、米国の同盟諸国や親米諸国から資金をもらってやってきた。(親米諸国が支援した理由は)ヒズボラの台頭をふせぐためだった」と語っている。ヒズボラの台頭を最も恐れているのはイスラエルだ。クラークは複数形で語っており、イスラエルだけでなくサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油諸国のことも示唆していると考えられる。

 サウジは以前、米国に頼まれて、シリア反政府勢力を支援していた。米国が10年にシリアのアサド政権を許すことを検討した時、サウジはいち早くアサドを自国に招待して歓待し、和解した。しかしその後、米国が再び反アサドの姿勢を強めたため、サウジも反アサドに転じた。サウジのシリア政策は、対米従属の一環だ。米国がアルカイダやISISを支援したから、サウジも支援した。しかしISISは14年11月、イラクとシリアを「平定」したら、次はサウジに侵攻し、メッカとメディナを占領すると宣言する動画を発表した。メッカの聖職者は、ISISを最大の敵だと非難し返した。
 サウジ政府はその後、イラクと自国の千キロの砂漠ばかりの国境線に、深い塹壕や高い防御壁からなる「万里の長城」の建設を開始し、ISISが国境を越えて侵入してくるのを防ぐ策を強化した。今やISISは、サウジにとって大きな脅威であり、支援の対象であり続けていると考えられない。サウジは以前、米国に頼まれてISISに資金援助していたが、すでに今は支援していないと考えるのが自然だ。

 もしISISやアルヌスラがアサド政権を倒してシリアを統一したら、ゴラン高原を本気で奪還しようとイスラエルに戦争を仕掛けてくるだろう。サウジだけでなくイスラエルにとっても大きな脅威になる。
 だが米国やイスラエルは、アルヌスラやISISを支援する一方で、彼らがアサド政権を倒してシリアを統一できるまで強くならないよう制御し、彼らの間の分裂や、米欧による空爆も行い、シリアの内戦状態が恒久化するように謀っている。こうすることで、イスラエルは自国の北側に敵対的な強国ができないようにしている。

 米国の上層部では、オバマ大統領が、自国の中東戦略がイスラエルに牛耳られ、馬鹿げたイラク侵攻を起こした体制からの脱却を望み、イラクからの軍事撤退を強行した。国防総省や議会など軍産複合体がイスラエルと同じ立場で、イラクからの軍事撤退に反対し、オバマが撤退を強行すると、次は過激派にISISを作らせて支援し、米軍が中東の軍事介入から脱却できないようにした。
 オバマは、軍産イスラエルが、シリアやイラクの混乱を恒久化するため、ISISやアルヌスラを強化しているのに対抗し、米軍の現場の司令官に直接命令して「ISISと戦うふり」を「ISISを本気で潰す戦い」に変質させようとしている。

 イスラエルの軍司令官は昨秋、オバマの「本気に戦い」に反対を表明し「ISISは(米イスラエルの敵である)ヒズボラやイランと戦ってくれる良い点もある。ISISの台頭をもう少し黙認すべきであり、本気で潰すのは時期尚早だ」と表明している。
 オバマは、軍産イスラエルの策動によってイランにかけてきた核兵器開発の濡れ衣が解かれ、イランが経済制裁を解かれて強くなり、ISISを潰せる力を持つよう、イランとの核交渉をまとめようとしている。すでにイランは、ISISと本気で戦う最大の勢力だ。イランがISISと戦うためイラクで組織したシーア派民兵団は10万人以上の軍勢で、兵力5万のイラク国軍よりずっと強い。

 こうした展開は、イスラエルにとって脅威そのものだ。ネタニヤフ首相は米政界に圧力をかけ、3月に訪米して米議会でイランを非難する演説を行い、オバマに圧力をかけようとしている。しかしこの策は、イスラエルが米国の世界戦略を隠然と牛耳ってきた状態を暴露してしまい、逆効果だ。米国のマスコミは、イスラエルに逆らった議員が落選させられてきた米国の歴史を報じ始めている。
 オバマはイスラエルに報復する意味で、米国がイスラエルの核兵器開発に技術供与したことを書いた1980年代の国防総省の報告書「Critical Technology Assessment in Israel and NATO Nations」を機密解除して発表した。米国は、イスラエルが秘密裏に核兵器を開発していたことを正式に認めたことになる。

 パキスタンで戦士の勧誘を手がけてきたISISの幹部が、パキスタン当局に逮捕され、自白したところによると、米当局はISISが一人戦士を勧誘するごとに、旅費などとして500-600ドルをISISに渡すことを繰り返してきたという。ISISやアルカイダは、米イスラエルが育ててきた勢力だ。
 イスラエルは米軍(米欧軍)が中東に駐留する状況を恒久化するため、米の軍産複合体はこのイスラエルの策に乗って米軍事費の肥大化を恒久化するため、ISISやアルカイダを操って跋扈させ、シリアやイラクを恒久的に内戦状態にする策を展開している。軍産イスラエルとISISやアルカイダは同盟関係にある。

 この事態を打破し、中東を安定化し、米軍が撤退できる状況を作るため、イランやアサド政権やヒズボラのイラン・シリア連合軍と、オバマは同盟関係にある。イランの背後にいるロシアや中国も、この同盟体に入っている。
 シリア内戦の解決策として最も現実的なのは、アサド政権と反政府勢力の停戦を大国が仲裁することだが、それをやっているのはロシアだ。米政府はロシアの仲裁を支持している。また中国は以前、中東の国際問題に介入したがらなかったが、最近ではイランの核問題の解決に貢献する姿勢を強めている。
 事態は、不安定化や戦争を画策する軍産イスラエル・米議会・ISISアルカイダ連合体と、安定化や停戦を画策するイラン露中・アサド・ヒズボラ・オバマ連合体との対立になっている。

 日本は先日、2人の国民がISISに殺された。戦後の日本人は、戦争を好まない民族だったはずだ。本来なら、ISISを本気で潰して中東の戦争を終わらせて安定化しようとするイラン露中・アサド・ヒズボラ・オバマ連合体の一員になってしかるべきだ。しかし最近の日本は、オバマの大統領府でなく、軍産イスラエル複合体に従属する国になっている(ドイツなど欧州諸国も同様だ)。
 ISISが日本人2人を殺すと脅迫した事件は、安倍首相が、ISIS退治に2億ドル出すと表明しつつ、ちょうどイスラエルを訪問している時に起きた。イスラエル政府は、ISISが日本人を殺そうとしていることを非難し、日本と協力してISISと戦うと表明した。しかしイスラエルは実のところ、裏でISISやアルヌスラを支援している。

 2人殺害の事件が起きるまで、日本のマスコミはISISについてあまり報じなかった。遠い中東で起きている複雑な背景の現象だから、報道が少ないのは当然だった。だが事件後、テレビは毎日必ずISISのことを報道する。これは911後のテロ戦争と同様、米国(軍産)主導の新たな国際体制を作ろうとする時のプロパガンダ策のにおいを感じる。
 軍産イスラエルは、自分たちが支援しているISISが日本人やヨルダン人や米英人やエジプト人らを次々と殺害し、世界がISISとの戦争に巻き込まれ、中東に軍事関与せざるを得ない事態を作ることで、911以来14年経って下火になってきた、テロリストが米国の世界支配を維持してくれる「テロ戦争」の構図を巻き直そうとしている。イスラエルは、オバマやEUなど、世界から敵視を強められている。それに対抗する策としてISISは便利な存在だ。

 安倍首相のイスラエル訪問は、安倍がイスラエル現地で会ったマケイン米上院議員ら、米政界の軍産イスラエル系の勢力からの要請を受けて行われた(イスラエルはパレスチナ問題で欧州に経済制裁される分の投資や貿易を日本に穴埋めさせたい)。
 安倍は軍産イスラエルに頼まれてイスラエルを訪問し、訪問とともにISISに人質事件を起こされ、軍産イスラエルの新たなテロ戦争に見事に巻き込まれた。日本は、ISIS人質殺害事件を機にイスラエルとテロ対策で協調を強めようとしているが、これは防火体制を強化する策を放火魔に相談するのと同じで、とても危険だ。

 今のイスラエルの危険さは、国際的に追い詰められている点にある。イスラエルは国際政治力に長けていて謀略の能力が高い。対照的に戦後の日本は、対米従属の国是をまっとうするため、国際政治や謀略の技能を自ら削ぎ、国際情勢に無知な、諜報力が欠如した状態を、意図して維持してきた。そんな無知な日本が、追い詰められた謀略国イスラエルに、のこのこと接近している。ひどいことにならないことを祈るしかない。



<関連>
「テロと戦う」という言葉に違和感を覚えなくなった日本人
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-3186.html

<参考>
安倍イスラエル訪問とISIS人質事件(田中宇の国際ニュース解説)
http://tanakanews.com/150123ISIS.htm


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