きのせみかの大和撫子な生活

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「神道的経営」とは?

 平成二十四年に出版された、百田尚樹氏の書いた『海賊とよばれた男』という小説があります。この『海賊と呼ばれた男』は大ベストセラーになり、平成二十五年度の「本屋大賞」を受賞しました。表向きは小説の体裁を取っていますが、その内容はノンフィクションそのもので、実在の人物であった出光興産創業者の出光佐三氏の人物像を描いたものです。

 戦後日本で石油元売企業を立ち上げた出光氏は、石油メジャーと呼ばれた外国企業に包囲されていた日本の経済社会の「エネルギーの呪縛」から解き放つように突破を図った立志伝中の人物でした。
 小説には書かれていませんが、出光氏は生まれ郷里である赤間村(現宗像市赤間町)のすぐ近くに鎮座する福岡県の宗像大社を氏神として子供の頃から参拝し、秋祭り・放生会にお詣りするのが「楽しみの一つであった」と語っています。

 出光氏は、もともと大分県の宇佐神宮(八幡宮)という古い神社の神主家の出身で、後年には、神社本庁の「全国神社総代会」の副会長を務めました。また、昭和十七年には「宗像大社復興期成会」の会長に就任し、参拝者が減って疲弊していた宗像大社の復興と再建に力を注ぎました。
 宗像大社は、天照大御神の「御子神」である「田心姫神」、「湍津姫神」、「市杵島姫神」という「宗像三女神」を祀る全国有数の古社です。とりわけ、神々しい田心姫神の祀られる沖津宮が鎮座している「沖の島」からは、多くの国宝を含む埋葬品が発掘されました。戦後三度以上にわたる発掘事業の大きなスポンサーとなったのが、出光興産の「店主」を名乗り続けた出光佐三氏でした。

 経営者としての出光氏は、スケールが極めて大きく、筋の通らないことには一歩も引きませんでした。戦後、日本を支配したGHQの不当な圧力に対して、はっきりとモノをいう一方で、消費者からの不当な搾取を行うことを嫌う「消費者本位の古き良き日本型経営者」でした。
 また、いまでは考えられない「人間尊重主義」と「定年制なしの人事」を重視し、自分の「家族の一員」である従業員を全面的に信頼して、社員を切り捨てるリストラや、タイムカード(出勤簿)での人事管理を一切行いませんでした。そうした経営方針もあって、出光興産社内には、労働組合すらありませんでした。

 出光氏自身は、自著『働く人の資本主義』の中で、このような経営方針を貫いた理由をこう語っています。
「私は人を使うのではなくて育てるという考えできている。親が子を育てるということであるから、愛情によるお互いの信頼があり、定年制も首切りもない。(中略)外国のように自分のために人を使うということであれば、愛情もなにもないから悪い者はどしどし首を切る。それで、使われる側も資本家に搾取されるな、経営者の横暴に対抗せよといって、組合をつくって対立闘争になる。育てようというのと使おうということの違いですね」

 じつは神道の世界は、天照大御神の御子神が「宗像三女神」となっているように、八百万の神々まで「家族・親戚」になるという関係性で成り立っています。そして日本社会はあくまで調和を大事にする「和」の世界を構築しています。
 「敬神愛人」――。宗像大社の沖津宮に参拝を済ませた出光氏が、こう揮毫した記録がいまも宗像大社には残っています。つまり、「神を敬い人を愛する」という言葉に、出光氏の人物像と出光興産の「創業者精神」が象徴されているのです。
 また現在でも、出光興産の本社や精製所には、宗像大社の分祀である宗像神社が大切に祀られているといいます。

 このように、出光氏の「経営マインド」は極めて「神道的」でした。実際に、出光氏は自らの崇敬する神道に関して、こう語っています。
「私は神に対しては次のような考え方をしている。即ち古歌に
心だに誠の道に叶いなば 祈らずとても 神や護らむ
とある如く、心の中の誠が神そのものである。我々は心の持ちようによりては何時でも神である得るのである」(『四十年間を顧る』より)
 菅原道真の詠んだ古歌にあるように、出光氏は「心の中の誠」、つまり「清(浄)明正直」を理想とする神道の考え方を大切にしていたのです。




『本当はすごい神道』(山村明義)より

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 「保守派」とされるジャーナリストの方々が、「外国のように自分のために人を使う」ような現在の日本の政策の方向性を支持しているのはとても奇妙なことですが、ある著名な保守系のジャーナリストの方が以前に「自分は成功者だ」「B層相手だから簡単だ」と豪語した時、戦後の日本の病根はかなり深いと感じたことを思い出しました。

 しかしながら、日本固有の神道の精神が、衰退すれば必ずまた蘇ることを繰り返してきたことを思えば、いずれまた日本に明るい社会が戻ってくるのかもしれませんね。

 ちなみに、“経営の神様”と称される松下幸之助翁も、深く伊勢神宮を崇敬されたことがよく知られていますが、翁の精神を引き継いだ「産業報国の精神」「公明正大の精神」「和親一致の精神」「力闘向上の精神」「礼節謙譲の精神」「順化同化の精神」「感謝報恩の精神」というパナソニックの行動規範にも、神道の趣旨がよく表れています。



<関連>
日本古来の「あかきこころ」を忘れずに
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-2233.html

「大和魂」の歴史
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-2342.html

松下幸之助翁の崇高な理念は何処へ…
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-1945.html

神の宿る島 沖ノ島
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-1165.html

<参考>
アベノミクスの姿(耕助のブログ)
http://kamogawakosuke.info/2013/10/28/no-1051-%e3%82%a2%e3%83%99%e3%83%8e%e3%83%9f%e3%82%af%e3%82%b9%e3%81%ae%e5%a7%bf/

飢餓が広がる米国(田中宇の国際ニュース解説)
http://tanakanews.com/131111ushunger.htm



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Author:紀瀬美香
古学(国学)・古神道研究家。
日本古学アカデミー代表。

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