きのせみかの大和撫子な生活

清楚で慎ましく、凛とした女性を目指して・・・ 今日を大切に活きたい。

Entries

科学を過信するなかれ

 科学の対象は、当然のことながら「すべて」ではありません。
 「断続平衡説」を提唱した米国の古生物学者スティーヴン・J・グールドは、この四半世紀にわたって、科学と宗教は一つになるのでも対立するのでもなく、非干渉でありながらも互いに敬意を持って共存すべきだと説いてきました。つまり、科学は経験的な領域をカバーし、宗教は本源的意味と道徳的価値の問題の上に広がり、両者は重なり合うことなく棲み分けているというわけです。

 また、「インテグラル思想」を提唱した米国の思想家ケン・ウィルバーは、人間の内面性が軽んじられ実証されたもののみが真実であるという近代科学の物質主義的世界観に席巻された現代社会を、批判を込めて「フラットランド」と名付けましたが、実にうまいネーミングです。
 ウィルバーは、人間の体、心、霊魂についての探求にあたって、肉の目(自然科学に代表される外的物質世界を認識する経験主義的視点)、理知の目(哲学、論理学、心理学といった知と心について考察する合理主義的かつ主観的視点)、黙想の目(霊性という超越的リアリティについて考察する神秘主義的視点)という三つの目が必要であり、それらがバランス良く発達することの大切さを力説しています。
 そして、この三つの視点で得られる領域はそれぞれ独立していて、これを同列に議論するのは根本的な誤りであるとし、その誤りを「範疇錯誤(カテゴリー・エラー)」と呼びました。

 哲学者エマヌエル・カントも「科学がいつか死後の意識の存続や死後の生を証明できるという考え方自体が間違っている」と言い、霊性の領域は人間の理性、認識力を超えていて検証できないものであることを強調しています。
 その他現代の学者では、国際ヒトゲノム計画の責任者フランシス・コリンズ(現在米国衛生研究所所長)が、「進化論的有神論」という言葉では先入観が入り過ぎて、信仰と科学の統合を表現するには適切でないと考え、ギリシャ語で生命を表す「バイオス」とキリスト教で神と同義に使われる「ロゴス(言葉の意)」を組み合わせて、「バイオロゴス」という概念を提唱しています。なお、コリンズは、「人生の意味とは」「人間の死後には何があるか」といった科学では対処できない問いに対する答えとして「神」の概念を使っています。

 日本では、遺伝子工学をいち早く用いて高血圧に関わる因子の一つであるレニンの遺伝子解読(DNAの塩基配列を決定すること)を行った村上和雄筑波大教授(当時)が、極微小のDNAがたった四種類の塩基A、T、G、Cの組み合わせによる三十億もの塩基対でできているという精妙さに、その背後に人智を超えた大きな力を感じて、その力を「サムシング・グレート」と呼びました。

 ともあれ、近現代における自然科学は飛躍的な進歩を遂げ、人類はその多大な恩恵を享受していることは確かです。しかしその反面、我々は科学への過信からその本質を誤解するようになっていないでしょうか。
 私には、現代の人々は、自然科学本来の領域を忘れ、あたかも科学的方法論によって解明できない領域など存在しないと考えるようになってきているのではないかと思えて仕方がありません。
 科学の領域、すなわち空間、時間、物質=エネルギーのリアリティ以外にリアリティと呼べるものはない、このような自然科学への「信仰」を、米国の哲学者ヒューストン・スミスは「科学主義」と呼びました。

 私自身、実際の医療現場に身を置いていると、机上で“科学的”に考えてすべてが解決するほど現実は単純ではないことを痛感しています。
 繰り返すようですが、科学の進歩は目覚ましいとはいえ、我々人間がこの「世界」について知っていることは極めて限られているのも事実です。




『人は死なない』(矢作直樹)より

--------------------------------------

 「科学的に解明されていないことは認めない」という、一種の科学教の信者さんのような方もいらっしゃるようですが、「人は何のために生まれて来るのか?」「人生いかに生きるべきか?」「人の縁とは?」というような人間にとって最も重要な問題に対して、科学がその答えを明らかにすることは恐らく永遠に不可能と思われます。

 科学主義の立場からすれば、「そのようなことは科学の研究対象外である」ということになるのかもしれませんが、それなら「科学的な対象として考えなくてよい」ではなく、「現在の科学では分からないが、科学以外の学問や体験ならば解明されるかもしれない」というべきで、霊魂や幽界についても「科学で実証されないものは存在しない」と断定することは非科学的な態度といえるのではないでしょうか。

 望遠鏡や顕微鏡の発達によって様々な物体の存在が明らかになって来たのは事実ですが、その望遠鏡や顕微鏡が発明される以前から天体や素粒子が既に存在していたはずで、そこまで人智が及んでいなかったということもまた事実でしょう。



<関連>
宇宙的な広がりをもつ素粒子の世界
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-2539.html

死後の世界と科学
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-2053.html

科学的に正しかった日本古来の神道宇宙観
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-1799.html

人類の霊性は退化している!?
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-1737.html

科学の進歩と共に霊性開発を放棄した人類
http://kinosemika.blog134.fc2.com/blog-entry-1775.html

<参考>
幽界物語の研究(32) -夫婦の縁-(日本古学アカデミー)
http://www.nihonkogaku.com/content/report.cgi?co=262



ランキング参加中。応援してくださる方はこちらを全部クリック!
人気ブログランキングへ精神世界ランキングにほんブログ村 歴史ブログ 日本の伝統・文化へ
関連記事
スポンサーサイト

*Comment

こんばんは 

科学って人の生活を豊かにする反面人の身体的機能を著しく低下するものだと感じます。医療機器等が凄く進歩してもそれが根本的な健康に結びつく訳じゃありません。それよりも健康で幸せを感じるにはどう体と心を機能させれば良いのか考え、あれこれ実践することが、生きるうえで一番大切だと思います。
  • posted by satoshi 
  • URL 
  • 2013.11/10 16:58分 
  • [Edit]

Re: こんばんは 

satoshiさん
仰るとおりだと思います。
それに医薬品の中には、副作用により却って健康を害するものもあるようです。
  • posted by 紀瀬美香 
  • URL 
  • 2013.11/11 10:14分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

紀瀬美香

Author:紀瀬美香
古学(国学)・古神道研究家。
日本古学アカデミー代表。

日本古来の大和心(清明心)をもう一度復活させましょう!清楚で慎ましく、凛とした大和撫子を目指して・・・
今日を大切に活きたい。

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
159位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
哲学・思想
15位
アクセスランキングを見る>>

最新記事

全記事表示リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

右サイドメニュー

検索フォーム

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ村ランキング